睡眠負債。

最近こんな言葉を使われることがあります。

結構寝ているつもりなのに、疲れが溜まっている気がするな・・・
もう無理できない年なのかな(悲)

そんな気持ちになることがあります。

実は、睡眠をとっているつもりなのに実は睡眠不足になっていることがあるんです。
 

睡眠不足は

  • がん
  • 心臓病
  • 糖尿病
  • こうした重い病気と非常に強い関係があるということが分かってきました。

    自分ではしっかりと寝たつもりでも、

  • 夜中にトイレに起きる
  • 横のパートナーが寝返りを打つ
  • ペットが一緒に寝ている
  • などの、ちょっとした覚醒による睡眠不足が続くと、
    ちょっとした睡眠不足が蓄積する「睡眠負債」が病気のリスクを高めることがわかってきました。
     

     
    さらに最近の研究では、睡眠の質が下がってしまうこの「睡眠負債」が、実は生活の質も低下させるということがわかってきたんです!

    ではこの「睡眠負債」について、しっかりと理解して、改善策を考えていきましょう。

    目次

    睡眠負債ってどういう意味?

    睡眠不足とか、睡眠障害ならなんとなく聞いたことがあるけれど、睡眠「負債」ってなんでしょうか?

    負債といえば、定義はこちら。

    負債とは
    負債(ふさい)とは、企業会計用語で、将来的に、他の経済主体に対して、金銭などの経済的資源を引き渡す義務のこと。

    ウィキペディアより

    これだと、お金に関する言葉のようですね。

    しかし、なんとなくイメージはできますよね?
    借金がちょっとずつ増えていくと、だんだん肩の荷がおもーくなって、首も回らなくなってしまいます。
    「借金で首が回らない」とはよく言ったものです。

    この借金と同じで、睡眠不足もちょっとずつ積み重なっていくイメージです。

    どのようにして負債が溜まるの?

     
    例えば、7時間寝ることが必要な人が、6時間の睡眠、つまりマイナス1時間の睡眠不足が2週間(14日間)続くと、
    なんと!ふた晩徹夜したのと同じ脳の状態になるということなのです!

    つまり、14時間分のマイナス睡眠が生まれ、1日分の睡眠を7時間とすると、ふた晩徹夜というわけ。
     

     

    信じられますか!?

    睡眠不足って普通、「昨日3時間くらいしかねれなかったゼ!」とか、
    「昨日徹夜しちゃったYO!(ドヤ顔)」みたいなことですよね。
     

     
    そうではなくて、毎日ちょっとずつ睡眠不足が続くと、結局は大きな寝不足につながるということなんです。
    まさに雪だるま式に増えた借金のようですね。

    さらには、この睡眠負債が血糖値を下げるために大切なホルモンであるインスリンの働きを低下させたり、
    アルツハイマー病のリスクが高まるということもわかってきたのです。

    睡眠負債のリスクとは?

     

    単なる睡眠不足ではなく、ちょっとずつでも大きな危険となりうる睡眠負債。

    どんな病気のリスクがあるのでしょうか?

    乳がんリスク

    東北大学の研究結果が非常に興味深いです。
    睡眠時間と乳がんの発症リスクの関係を調べた研究では、
    女性およそ2万3995人をなんと7年間追跡しました。
    平均睡眠時間が6時間以下の人は、7時間寝ている人に対して乳がんのリスクがおよそ1.67倍になることがわかったのです!
     

     
    1.67倍!!!
    微妙な数字のようですが、
    普通のカップラーメンに比べて、
    スーパーカップは麺の量が1.5倍です。
    それより多いんですよ!

    さて、気を取り直して。

    睡眠は休息だけではない!?

    睡眠が体を休め、体力を回復させるというのは誰でもご存知。
    しかし、最近の研究で、睡眠時には他にも生きるのに大切な働きをしていることがわかったのです。

    睡眠時にのみ排出されているある物質があるというのです。
    それは何かと言いますと・・・!

    認知症リスク

    認知症リスクなのです!

    注目されているのが、睡眠負債と認知症のリスクです。

    スタンフォード大学の睡眠生体リズム研究所長は、
    寝ている間の時間に脳の中にあるゴミ(老廃物)の成分が排出されることを発表しました。
    この成分、アミロイドベータというのですが、認知症の一番大きな原因であるアルツハイマー病の原因物質とも言われています。

    このアミロイドベータという成分、睡眠不足の状態だと排出されにくくなり、
    アルツハイマー病発症の20年〜30年前から溜まり始めるといわれています。

    つまり、働き盛りの30代、40代に睡眠を削って働きすぎる傾向にある人は、
    数十年先に溜まりに溜まったアミロイドベータが認知症になるリスクを高める可能性があるんです。

    他にも脳の中だけではなく、
    他の危険因子と呼ばれるものが溜まり続けます。

  • 脳卒中
  • 心筋梗塞
  • 高血圧症
  • 糖尿病
  • 肥満
  • うつ病
  • などのリスクが高まるといわれています。病気のオンパレードですね。

    病気と睡眠が関係しているのはなんとなく知っていたかもしれませんが、
    これが睡眠負債と関係があるということなんですね。

    あなたは大丈夫!?睡眠負債のチェック方法!

    あなたの睡眠負債はどれくらいでしょうか?
    簡単なチェック方法があります。

    明日はお休み!休日の前夜、時計を見えない状態にして、
    遮光カーテンなどで外からの光を遮るようにして、
    部屋を暗くして寝てみてください。

    次の日、起きた時間に時計を見てください。

    いつも起きている時間よりも2時間以上ずれているようなら、

    睡眠負債を抱えています!
     

     
    どうでしょうか?あなたも・・・?

    実は、私も・・・そういう方は本当に多いです。

    しかも、日本人は慢性的に睡眠が足りなくなっているといわれています。あなたはどうですか?

    日本人の睡眠環境が変わってきている!?
    (国民栄養・健康調査)によると、
    睡眠時間が6時間以下の人はH20年には全体の3割未満だった。
    しかしH27年のデータでは4割近くに急増。逆に、7時間以上の人は大幅に減った(34.5%→26.5%)。

    参考:厚生労働省

    「最近、忙しくて寝れてないんだよねー(ドヤッ)」みたいな、
    寝てない人が偉いという風潮は日本ならではと言えるでしょう。
     

    睡眠負債は返済できる!?

    では、この睡眠負債を解消する方法はあるのでしょうか?

    先ほどのチェック方法にあるように、いつも起きる時間よりも休日はたくさん寝てしまうという場合、
    睡眠時間のバランスとリズムが崩れていると言えるのです。

    基本的な睡眠負債に対する返済方法は、きちんと夜寝る。ということに尽きます。

    大切なのは、睡眠時に働く脳のゴミ成分であるアミロイドベータの排出を行うということです。

    寝だめ?

    休日にたくさん寝て、寝だめしたらいい?

    答えはノー!

    寝だめというのは確かにたくさん休息しているかもしれませんし、
    体の具合が悪い時には確かに休息が必要です。

    しかし、寝だめは睡眠負債を解消できません。

    休日はお昼まで寝て、のんびり起きたはいいけれど、
    結局その日の夜全然眠くならずに夜更かししてしまう。
    という経験はありませんか?
     

     
    負債の返済には、
    睡眠時間のリズムをとることが大変重要なのですね。

    寝だめしてしまうのは疲れている証拠ではあるものの、負債の返済にはならないのです。

    昼寝は?

     
    ちょっとだけ20〜30分程度の昼寝は頭がスッキリして午後の活動にも良いです。

    しかし、
    がっつり1時間以上の昼寝はどうでしょうか。
     

     
    これは体の睡眠リズムを崩してしまう原因になりますので、NGです。

    ではいよいよ、どうしたら良いのか、考えて見ましょう!

    睡眠負債の返済方法

     

    「返済はコツコツと、計画的に。」

    なんだかローン会社のキャッチコピーみたいですね。

    睡眠負債も返済はコツコツやるしかありません。
    負債が毎日1時間あるのであれば、答えはただ一つ。

    一日1時間早く寝る!

    これが唯一の答えです。

    「そんなこと、わかってるわ!!!」
    「さっと眠れないから困っているんじゃ!!」

    ですよね。
    しかし、そのためにできることがいくつかありますのでご紹介します。

    朝起きたら太陽の光を浴びる

    実は、良い睡眠は朝起きた時から始まります。
    朝日(メラトニン)を浴びることによって体が朝のスイッチを入れてくれるのです。
     

     
    15秒から5分程度浴びることによって、十分朝のスイッチは入るようです。
    たとえ雨の日でも5000ルクスくらいの光が浴びれますので、カーテンを開けて朝を感じましょう。

    これで一日の始まりを体に教えることができ、スムーズな睡眠タイマーをセットできるのです。

    朝起きたら、手を冷やす

    朝のスイッチを入れる方法のもう一つは、手を冷やすことです。
     

     
    あなたは、朝起きたら洗顔をしますよね?
    それでも十分朝のスイッチを入れていることになります。

    冬の寒い時期なら暖かいお湯でも大丈夫。
    とにかく朝の習慣にすることが大切です。

    夕方、散歩をする

     

     
    軽い運動をするという意味で、夕方は散歩をしてみましょう。
    犬の散歩などは最高ですね。

    仕事をしている方は、通勤の時にちょっと多めに歩いてみるなどの工夫もしてみましょう。
    これによって運動不足が少しでも解消されるのと、夜の入眠のために良いとされています。

    夜、寝る前の90分までにお風呂に浸かる

     

     

    1時間半前に入浴というのはどういうことでしょうか?

    これは体温と睡眠の関係に大きな関係があるようです。
     

    この表のように、お風呂に入ると体温が一時的に0.5度くらい上がります。
    その後90分で、体温が下がり始めます。

    その頃に入眠するとスムーズに眠れるのです。

    これでいつもよりもちょっと早めに寝ることを心がけることによって、
    睡眠負債をコツコツ返済して、将来のために備えておきたいものです。

    まとめ

    人は7時間は睡眠時間が必要です。
    あまり寝なくてもいい人(いわゆるショートスリーパー)はほとんどおらず、特殊な体質、遺伝子の人だけです。
    様々な病気のリスク、特に認知症と乳がんのリスクが高まることが研究結果として出ています。

  • 一日一時間早く寝る!
  • まとめるとこれだけなのですが、実は大切なことであるということです。
    できることをコツコツ積み重ねることで生活の習慣を変化させていきましょう。

    是非とも睡眠負債を返済して、快適な毎日を将来にわたって楽しむことにしたいですね。

    今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

    投稿者 phc95994

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