歳をとると、忘れっぽくなって、言葉が思い出せないと思うこと、ありますよね?

「あのー、アレ、ほら!アレがほら、あのアレがほら!」

などと、「あの」、「アレ」、「ほら」の3つを繰り返しているだけということがあります。
記憶力が衰えたと感じると、歳をとったんだなぁ・・・などと寂しく思うことはありませんか?

実は、記憶力の低下と脳の老化はあまり関係ないということが最近の脳科学研究ではわかっているんです!

今回は、人は40代を過ぎても記憶力を伸ばすことができるのか!?
という疑問について考えてみたいと思います。

目次

脳は死ぬまで成長させることができる!?

人間の体の中で、長持ちする器官は、声を出すところの声帯と言われています。
しかし、実は脳が一番長持ちし、老化に対抗して成長することができることがわかっています。

老化することは人間誰しも避けられませんが、それに対抗して成長するとはどういうことなのでしょうか?

それはズバリ、”正しい方法を知れば、記憶力はどんどん伸ばせる”ということです。

老化現象は確かにある

しかし、そうは言っても最近、人の名前が覚えられないし、勉強してもすぐ忘れるんだよなぁ・・・

ボールペンを置いた場所がわからなくなったり、
探しにきたはいいけど、何を探しにきたのかさえ思い出せなかったり笑
40代を過ぎるとそんな声が聞こえてきますね。

確かに、新しいことを覚えるのは40代以上の人には厳しいものがあります。

ところで、

実際に、私ブログ管理人は海外で日本人に外国語を教えていたことがありますが、
色々な年代の人たちを相手に授業をしていると、わかってくることがありました。

それは、言語習得力、吸収力には明らかな年代別の違いがあったということです。

10代、20代はスポンジのように言葉を覚えていきます。
個人の能力もありますが、30代はなんとかついていきます。
しかし、40代後半あたりから、これは個人の能力を超えた壁があるように感じます。

50代はもう、言語の習得は20代の子と同じ方法ではかなり難しいです。
聴力の低下や集中力の低下などがみられるわけです。

これは確かに老化現象ですね。
何もせず、ぼーっとしていれば老化が進み、忘れっぽくなるものです。

しかし、最近の脳科学研究で記憶には大きく分けて2種類の記憶があることがわかったのです。

これを正しく理解し活用すれば、記憶力は確実にアップします!!

意味記憶とエピソード記憶

意味記憶?
エピソード記憶?

聞いたことがないかも知れませんね。
まずはじめにこの2つの記憶方法の違いについて考えてみましょう。

意味記憶とは?

これはいわゆる普通の暗記記憶です。

水 = ウォーター

りんご = アップル

本 = ブック

私たちはいくつかの日本語と英語の意味を記憶していますね。

この2つの単語、言葉につながりはありません。
こういう2つの言葉を直接覚えるのが”意味記憶”と呼ばれるものです。

漢字ドリルとか、英単語テスト対策はこの記憶です。

これは私たちが小さい時から学校で覚える方法です。

ノートに何度も何度も書いて覚えましたよね?
 

 
しかしこれは、若い時だからこそできる覚え方なのです。

確かに若い時は物事の吸収力が非常に高いです。
だいたい20歳までにこの吸収力はピークを迎えると言われています。

それは逆に、”経験や知識がまだ少ないからこそ吸収できる”ということを意味しています。

一方、40代以上の中高年は経験と知識にあふれています。
それまでに持っている豊富な経験と記憶をいつも結びつける癖があるので、
丸暗記というのは歳を重ねるごとに難しくなるのです。

エピソード記憶とは?

そこで、もう一つの記憶、エピソード記憶を使うわけです。
エピソード記憶というのは、
エピソードという、起きた出来事を覚えていて、それに関係するものを憶えるという記憶です。

よく、おじいちゃんやおばあちゃんが昔起きた話を鮮明に覚えていて、

「あれは忘れもしない、19〇〇年の◯月◯日だったのぉ」

などと、今日の朝食のメニューは忘れているのに昔のことをよく覚えているのは、
まさにエピソード記憶のおかげというわけです。

歳をとればとるほど活性化されるエピソード記憶

実は驚きの研究結果があるんです。
人間の体はほとんどが老化とともに衰えていくのですが、

脳の海馬という部分はちょっと様子が違うのだそうです。


※赤いところが海馬という部分です。

ウィキペディアによると、

加齢による性能変化
エピソード記憶に関して活性化する脳の領域(特に海馬)の研究によると、
若者と高齢者で違いがあることが観測された(Maguire and Frith 2003)。
高齢者は左右の海馬が活性化するのに対して、若者は左の海馬だけが活性化する傾向がある。

つまり、脳の一部は若者よりも高齢者の方が活性化されていると!!!

これはすごいことですね。

海馬というのは記憶を助ける部分として脳科学では認識されています。
記憶の助けというのはまさにエピソード(出来事・物語)が関係しています。

例えば数年前の私の経験です。
テレビの通信販売を注文した時のことですが、

「あの時の電話のオペレーターのお姉さん、対応が素晴らしかったなぁ」

と、なんということはない通信販売の電話のオペレーターさんとの会話ですが、
電話越しの気遣いと手際の良さをはっきり覚えているものです。

これはまさに体験に基づいて記憶しているのです。

しかも、私は今までの電話オペレーターの対応を経験していて、
ある程度”電話オペレーター”の対応の仕方を知っています。

あなたもそうですよね?大体こんな感じだろう・・・という、
感覚を持っています。

それを上回る体験感動を生んでいるので、
体験や経験に基づいて覚えている、と言えるわけです。

そしてこれは嬉しいことに、一度で覚えることができる記憶方法なのです。
英単語の練習みたいに何度も反復する必要がありません。

中高年のための記憶方法

いよいよ、海馬が活性化している中高年のあなた!
これを活用した記憶方法を伝授いたします。

それは・・・

エピソードを作っちゃう!

ということです。

経験が記憶の助けになるのであれば、
体験や経験を頭で作ることで、エピソード記憶を作り出すのです。

例題1

例えば、
人の名前を覚えなければならない場合、

本田圭佑(ほんだけいすけ)を覚えるとします。

「彼は、ホンダのスケスケの軽に乗ってサッカーの練習に来ている。」

イメージしてみます。

これをイメージして、(なんでやねん!)などと自分でツッコミを入れながら、
頭の中でイメージします。

すると覚えられるわけです。

ホンダのスケスケの軽

ホンダスケスケ軽

ホンダ軽スケ


本田圭佑!!!

ね?
簡単でしょ?

例題2

もう一つ考えてみましょう。

ハンドスピナー。
流行っているけど思い出せそうにない場合、こう言えます。

これを回していると手に伝わってくる反動が好きなんだなー。

反動好きだなー

反動好きなー


ハンドスピナー!!!

もはやダジャレですが笑

このように、エピソードを作り出して、
仮想体験することでイメージを映像で思い出し、
その時に発した言葉を思い出すと、
しっかりと記憶できていることに気づきます。

コツは、映像を思い浮かべて、そこに覚えたい対象を組み込むことです。

まとめ

記憶には大きく分けて2種類ありました。

  • 意味記憶
  • エピソード記憶
  • そして、中高年になればなるほど脳内の海馬という部分は活性化されていく。
    それを利用して記憶力をアップさせることが出来る。

    方法は、エピソードを作る記憶術というものでした。
    ダジャレの好きな方なら本当にたくさんのことを記憶することが出来るでしょう。

    人生を重ねた経験を効率よく使って、若者に負けない記憶力を手に入れましょう!

    今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

    投稿者 phc95994

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です